【アウトドア】看護師解説!ケガの応急処置の間違った常識まとめpart.1

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みなさんこんにちは。普段は看護師として働いているAYUです。

この記事ではケガの応急処置として常識的に知られていることが実はウソだという事をまとめていきます。

傷は消毒しないといけない。突き指は引っ張る。やけどにはアロエ。出血は縛って止血する。

こんなことを聞いたことはありませんか?これら全て常識だと思っている方もいるかもしれませんがそれらは全て間違いです!

この記事では皆さんが常識だと思っていたケガの応急処置が実は間違っているということについてまとめていきます。

ぜひ最後まで読んでいって下さいね。

傷は消毒しないといけない

消毒

傷口には消毒という誰でもが当たり前だと思っているこの常識は現代医療では間違いです。

なぜ消毒が必要ないのか、その理由は消毒薬は細菌やウイルスを殺菌してくれますが、それと同時に傷を治そうとする正常な細菌や細胞にもダメージを与えてしまうからです。

実は傷口を消毒することで逆に傷の治りが遅くなったりする可能性があります。

傷の正しい処置方法は消毒はせず水で洗う

傷を綺麗にすることは大事です。そのため基本的には水や石けん洗浄を行います。

綺麗にする方法としては水道水で砂や泥などの異物を洗い流すだけでも十分です。

気になる方は石鹸で洗って洗い流してもいいでしょう。その際は石鹸泡は綺麗に洗い流してくださいね。

しかし、汚染された土壌や汚い水、動物に噛まれた等の場合は破傷風などになるリスクがあり消毒が必要な場合があるため速やかに病院を受診し医師の指示を貰ってください。

また、薬草類を傷口に塗るのも土の中にいる破傷風菌が傷口から侵入してしまう可能性があるためやらない方がいいです。

別記事で傷を痛みを感じずに早く綺麗に治す方法をまとめているので興味がある方はぜひ一読ください。

【必読】キャンプのケガの処置はこれでOK!きれいに早く治す湿潤療法を紹介

出血は縛って止血する

ガーゼ写真

時々、出血した場所より体の中心に近い方を縛って血液の流れを止める方法をとっている方がいますがこれは正しくありません。

縛ることで出血量は減るかもしれませんが血流が止まることで縛った先に血が流れなくなり細胞が壊死する可能性があります。

正しい止血方法は出血部位を圧迫する

出血した場合の正しい止血方法は出血してる場所を圧迫してあげることです。

人間の血液の中には血小板をはじめとした様々な血液凝固因子があるため自然と出血は止まります。

圧迫しても流血が止まらない場合は太い血管を傷つけている可能性があるので圧迫止血をしたまま速やかに医療機関を受診してください。

やけどにはアロエが効く

これはアロエは水分を多く含んでいるため、昔の人はそれによる冷却効果や保湿効果を期待したものだと言われています。

昔の人たちは簡単に水を手に入れることができなかったのでやけど部位などを冷やすためにアロエ等で代用していたのでしょう。

アロエでやけどが治ったと言われる方がたまにいますが、それは処置をせずとも治る程度の火傷だった可能性が高いです。

やけどは冷水で冷やす

現代では簡単に水が手に入り使うことが出来ます。

アロエよりもはるかに冷却効果や保湿効果を得られますので現代で火傷に対する正しい処置は大量の冷水で冷やすことが大切です。

また、アロエをはじめとした薬草全般に言えることですが傷口に薬草を当てることは土の中に潜んでいる破傷風菌などを傷口から身体に侵入させかねないのでやらないことが望ましいです。

火傷についての正しい応急処置方法についても別記事でまとめています。

【看護師直伝】キャンプでのやけど処置に必要な物品、応急処置について

冬場などは湯たんぽやストーブによる低温やけどのリスクも高くなります。

それについての知識をまとめた別記事はこちらです。

【要注意】低温やけどは危険!気づかないうちに皮膚が黒く壊死することも。

虫刺されにはアンモニア

試験管内の実験上は昆虫の毒はアンモニアで中和することがあるそうです。

しかし、実際の虫刺されでは虫の針によって皮膚の中に毒が打ち込まれているためアンモニアを皮膚にかけたところで毒の場所まで達しません。

また、アンモニアの濃度が高いと皮膚がやけどを起こしてしまうことがあるので注意が必要です。

虫に刺されたらアナフィラキシーショックに注意

虫刺され直後はポイズンリムーバー等を使用し、その後アレルギーによるアナフィラキシーショックと言われる全身症状の出現に注意が必要です。

蕁麻疹、呼吸困難感、全身倦怠感や吐き気等の症状が診られたらアナフィラキシーショックを起こしている可能性があるのですぐに医療機関を受診してください。

突き指をしたら引っ張る

私も昔言われたことがありますがこれは間違いです。

引っ張って治すのは指の脱臼の時で突き指の時ではありません。

突き指は指を突くことにより関節が過剰に曲げられることで起こります。

そのことで靭帯が伸びてしまったり、切れたり、骨折してしまうのです。

そのような状態の関節を無理に引っ張ると靭帯がさらに傷ついたり、骨折の悪化が起こる可能性があります。

突き指は安静にして冷やして様子をみる

突き指の正しい対処方法は冷やして安静にすることです。

それで時間とともに痛みが改善してくればいいでしょう。

痛みが強い場合、ひどく腫れた場合は速やかに病院を受診し検査してもらってください。

まとめ

今回の記事では、人生で1度は聞いたことがあるかもしれないケガの処置方法の間違った常識についてまとめました。

まだまだ紹介しきれてないものがあるので今後も少しずつまとめていきたいと思います。

正しい応急処置方法を身に着けて安全にアウトドア活動を楽しみましょう。

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