みなさんはキャンプの時にストーブやカイロや湯たんぽ、電気毛布や電気こたつ、ホットカーペットなどを使用しますか?
寒い日に冷たくなった身体を温めてくれるとても心強いモノたちばかりですよね!
実は心地よい暖かさを提供してくれるこれら暖房器具にもやけどのリスクは潜んでいます・・・不安を煽ってばかりすみません( ̄▽ ̄;)笑
私は看護師として働いているため、低温やけどになった方の看護も行ったことがあります。低温やけどの原因としてストーブやカイロ、湯たんぽなどが原因のものが多かったです。
この記事では低温やけどの怖さを知り、そしてキャンプや日常生活で低温やけどをしないために出来る対策についてまとめていきます。
高齢者や子供が低温やけどを起こしやすいと思っている方も多いと思いますが、誰でも低温やけどを起こすリスクはあります。しっかり知識を持って気をつけていきましょう!
低温やけどの基礎知識

低温やけどってなに?
低温やけどというのは文字通り低温(40~50度前後)のものに長時間皮膚が触れ続けることによって起こるやけどのことです。
一瞬触れるだけではやけどしないような温度ですが、同じ部位に長時間触れ続けることでやけどとなります。
温度と低温やけどを起こしてしまう時間の目安については以下ご参照ください。
皮膚の表面温度 | 時間 |
44℃ | 3~4時間 |
46℃ | 30分~1時間 |
50℃ | 2~3分 |
字面だけみるとそこまで温度が高くなさそうなので、低温やけどが熱いモノに触れたやけどよりひどくなるなんて想像できないですよね。
低温やけどの怖さは、長時間同じ場所に熱源が当たり続けることでジワジワと細胞組織の深いところまで損傷し、皮膚の下にある皮下組織(脂肪組織)まで破壊してしまうことです。
細胞の深いところまでダメージを受けている分、治癒するまで長い時間がかかります。
ひどい場合は組織が壊死してしまうため、デブリードマンといって外科的処置で壊死した部分を切除することがあります。場合によっては植皮術を受けることも・・・。
なぜ低温やけどは起こるのか
人は熱いものに触れたとき、反射的に熱源から離れようとするため皮膚が熱源に触れる時間が短いです。
そしてすぐに水で冷やす事でやけどが深いところまで進行することを防げます。
しかし、低温熱源(40~50℃)に触れた場合はそこまで熱くないので反射的に熱源を避けるという事がなくなります。
低温熱源であっても細胞組織の損傷を起こすには十分な温度なので、長時間になればなるほど組織はダメージを受けてやけどが細胞組織の深いところまでダメージを与えます。
低温やけどが起こりやすい部位としてかかとやくるぶし、すね、膝、肘など骨が近く皮膚が薄くなってる部位が多いです。
皮膚が弱く薄い乳幼児や高齢者の方が低温やけどを起こすリスクはもちろん高いのですが、
- お酒に酔って泥酔してしまっている人
- 疲れて熟睡してしまった人
- 糖尿病などの持病があり手足の循環が悪い人
- 身体に麻痺があり感覚がなかったり思い通りに動かせない場所がある人
上記のような方も皮膚の感覚が鈍っているため、知らず知らずのうちに低温やけどを起こすリスクがあります。
低温やけどの傷はどうなってる?
低温やけどになったばかりの傷は赤みがあり乾燥がみられることが多いです。
痛みはあまり強くないことが多いため、見た目だけでは軽いやけどと勘違いされることが多いです。
しかし低温やけどによる細胞組織の破壊は皮膚を超えてその下にある皮下組織(脂肪部分)までダメージを受けているので時間が経つと黒っぽくなってきます。これは細胞が壊死してるということです。
これはⅢ度熱傷といってやけどの中では一番ひどい状態になります。
完治するまでには数週間〜数か月を要します。その理由はまず壊死組織を除去する治療を行い、その後にやけど治療を行うという2ステップを要するからです。
細胞が壊死すると感染を起こしやすくなるし、治りも遅いしでなかなか深刻です・・・。
低温やけど時の対処法

見た目は軽いやけどのような感じであることが多く初期対応が遅れがちです。
赤くなっていて、低温やけどした可能性がある場所があればもしかすると奥の組織まで熱が到達している可能性があるので流水で十分に冷やしてください!
その後は速やかに医療機関の受診を行ってください。
低温やけどを予防するには?
暖房器具の取り扱い説明書をしっかり読んで使用方法を守ることが大切です。
特に就寝時に使用することが多い、湯たんぽ、電気毛布、カイロについては就寝前までに使用し寝具を暖め、就寝時には出来れば寝具から出す、電源を切っておく、服から剥がすことを推奨します。
どうしても寒くて寝れない場合は湯たんぽであれば温度を下げるなど工夫をし、しっかりとカバーをして身体に触れない場所に置きましょう。
ただ、これは寝返りを打った時に肌に触れる可能性があるのでリスクはゼロにすることはできませんので自己責任で・・・。
電気毛布であれば弱~中設定にして使用する。(それぞれお使いの電気毛布によると思いますが私の使用している電気毛布だと弱だと20度程度、中で32℃、強で52℃と記載がありました。各自確認してみてください。)
カイロは調べてみたところ、製品にもよりますが平均温度50度程度あるそうです。
ちなみに、最近よく目にする↑のマグマカイロは最高温度73℃、平均温度61℃と公式HPに記載がありました。
服に貼っていたとしても熱は皮膚に伝わるため低温やけどのリスクは高いです。
カイロは起きている時に使用する場合は時々皮膚状態の確認をすれば問題ないですが、就寝時は危ないため剥がすようにしましょう!
まとめ

外で寝泊まりするって思ったより寒いのでなるべく温かいものをそばに置いておきたい気持ちはとってもよくわかりますが、使用方法は守りたいところです。
もし、低温やけどをしたかな?と思ったら、軽視せず病院を受診してくださいね。
この記事の知識を頭の隅にいれておくだけで低温やけどのリスクはいくらか減らせると思います。
また、以前別の記事でやけどの基礎知識や温熱やけど(熱いものに触れたときのやけど)の初期対応・応急処置方法についてまとめています。
温熱熱傷のほうが頻度は高いと思うのでぜひ以下の記事もチェックしてみてください!
怪我なく暖かく過ごせるようなキャンプを楽しみましょう(*^^)v
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